デイドリーマーズ ~ロマンス・インパクト~

晩餐会の始まり

 

 

 

 ペタペタ、ペタペタ。

 

 

『ねぇ、小説って知ってる?』

ショウセツ? なにそれー。

しらなーい。

しょーせつってたべれるの?

『人間が書いた物語のこと。小説を書く人を小説家って言うんだ』

へー。

ねーねー、おなかすいたー。

ごはんたべにいこーよ。

『もう、僕の話を聞いて! 昨日ね、老衰で死んだおじいさんの魂を食べたんだ。彼は小説家だったの!』

ふーん。で?

『小説家の魂はね、特別な味がしたんだ! 普通は経験したことが味になるけど、たくさんの物語を書いてるからなのかな? あまーい部分とにっがーい部分、辛いところもあった。一度の食事でたくさんの味が楽しめるんだよ!』

……いいね、それ。

うん。あまいのもからいのもいっぺんにたべられるなんて、すてき。

しょーせつか、おいしそう!

2022年11月23日11時33分